この講座では任意の機能を定義するときに使うのが、関数だということを解説しました。しかし、JavaScriptには関数の外側にクラスという関数の外側にある枠組みが存在します。ゲームのような複雑な仕組みを作るときによく使うのが、そのクラスというものです。
このように、クラスを用いる設計をオブジェクト指向と言います。今回は、初学者の方向けにクラスについてわかりやすく解説していきます。
クラスの解説
クラスの概要
では、まずクラスとはどのようなものなのかについて解説していきます。
仮に、みなさんが次のようなシステムを作ろうとしている、とします。
数々の会社のデータをそれぞれ同じ操作をすることで取り出したりすることができるシステム
たとえばですが、
- A社の資本金を取り出す
- B社のサービス内容を取り出す
- C社の利益率を計算する
といった感じです。
このとき、皆さんはどういったプログラムを考えますか?
単純に考えると、A・B・C社それぞれ別々にプログラムする、ということが考えられます。
しかし、それが数万社、となってくるとどうでしょうか?数が少ないうちはいいかもしれませんが多くなってくると凄まじい負担になってしまうはずです。
さらに、途中で「取り出すデータの仕様を変えたい」となったら地獄です。数万のコードを全て書き換えなければなりません。
ではどうするか?
そこで使うのがクラスです。あらかじめ、クラスという会社についてのデータを定義して、それを使いまわしていくのです。そうすることで、同じコードを繰り返し書かなくても済むようになります。
これが、オブジェクト思考の概念です。
クラスの宣言
では次にクラスの書き方について解説していきます。
上記がクラスの書き方の例になります。
プロパティ名というのは、いわゆるクラス内で使用できる変数になります。メソッドはクラス内で定義する関数になります。
プロパティはオブジェクトとクラスでは少々扱いが異なり、key:valueのようなコロン区切りで定義できません。コンストラクタでクラス内で使用できる変数を定義する必要があります。
class Company{
constructor(){
this.capital=500000000;
}
getBenefit(){
return 100000000;
}
}
コードでは上記のようになります。
インスタンスの生成
クラスを定義しましたら、続いてインスタンスを生成していきます。
クラスは定義しただけでは関数同様にアクセスできません。よって、インスタンスを生成し、オブジェクト化させます。
class Company{
constructor(){
this.name = "Google Inc.";
this.kind = "合同会社";
this.ticker = "GOOL";
this.capital=500000000;
this.total = 100000000;
this.expense = 45000000;
}
getBenefit(){
return `粗利益 : ${this.total-this.expense}`;
}
}
const c1 = new Company();
console.log(c1.getBenefit());
$ node class.js
粗利益 : 55000000
サンプルコードの最後から2行目がインスタンスを生成している箇所になります。予約後であるnewを使うことで、クラスをオブジェクト化します。
この記法はJavaScriptでDateオブジェクトやMathオブジェクトなどを使う時など、様々な場面で出てきますので、覚えておきましょう。
まとめ
では今回のまとめに入ります。
今回は下記のようなことを学びました。
では、今回はここまでとなります。お疲れ様でした。
参考文献
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